[ HOME ]
The Juilliard School #2
ジュリアード音楽院について徒然とよもやま話。ジュリアード半日観光やインサイドツアーなど。


ジュリアード音楽院の中には奇妙キテレツな物がたくさん存在します。中にいる人達もちょっとかなり変わっているようです。これらがあの一種独特の雰囲気をかもし出しているように思えます。ジュリアード音楽院についてあれこれ思い付くまま巷間の俗説です。
[図書館] [IDカード] [落書き] [ピアノの悲鳴] [半日観光] [インサイドツアー] [情報誌] [その他]

図書館

ジュリアード音楽院の図書館ですが、思ったよりかは特殊な譜面はないように思えます。もちろん音楽的な図書館としては素晴らしい図書館です。さすがにMilton BabbittとかElliott Carterとかは検索すると100件、200件と資料が揃っています(もちろんか)。クラシックとして認知されていない作曲家、例えばJazz系、Rock系のへんてこな作曲家の資料は少ないです。

Chick Corea, Pat Methenyなんかはジュリアード音楽院に関係していた事があるにもかかわらずありません。 チック・コリアのリンカーンセンターから委託されて書いた「七重奏」が無いのは、何か政治的な意図があるのでは、な〜んて疑ってしまいます。そう言えばアカデミックな作曲家(上記のMB,EC)は評価が高いけど、ケージやカウエルのような実験音楽の類が冷遇されるように、ロイ・ハリスをこき下ろす人がいました。しかしその人はコープランドやウィリアム・シューマンを誉めてました。うーん。

またオーネット・コールマンなんか素晴らしい弦のカルテットを書いているのに図書館にはありません。フランク・ザッパもない。ジョン・ゾーンもジュリアード主催のSummergarden Concert(2ヶ月に渡る現代音楽コンサート)でトリを務めるぐらいなのに少ない。しかし、何故かキース・エマーソンの Piano Concerto No.1 (ELPのWorksで有名)の譜面が置いてあったりします!その他にもへんてこな作曲家がひょこっとあったりします。イマイチこの図書館の趣味は解りませんよねぇ。

検索用データベースで JUILCAT と言うのがあるのですが、シンプルで使いやすい一方、シンプルすぎて細かい検索ができずちょっと不満です。特に検索後に一覧がいっぱい出てきた時、いちいちページを全部見ていかないといけないのは大変不便。検索後のリストから再度検索ができるようにしたら、時間がかなり節約できるのに・・・。このシステム以外にもCD-ROMによる書籍のデータベースやインターネットによる検索も可能です。しかし多くの生徒はこのコンピューターをメールチェック用に使っているのが事実。

本は2週間借りれるのですが、一回に40冊まで借りれます!どのような理由で40冊かは解らないのですが、事実、持ち切れないほどの本を借りていく人がいます。その為かメジャーな譜面は数部用意されてますが、必要な時に貸出し中の時はくやしい。まぁ40冊借りれると言う豪快さはいかにもアメリカ。

公衆電話や自販機、コインランドリーなどでクォーター(25セント硬貨)が必要な時は、図書館のコピー機横に両替機があります。これでクォーターを作る為に、欲しくも無いガムやキャンデーをストリートベンダー(露天商)やニューススタンドで買ってお釣を作らなくても済みます。両替機なら心おきなくクォーターが作れます。アメリカに両替機って少ないですよね。ただ欠点はこの両替機はいかにもアメリカ製で、コインの落ちる音が大きく響きます。静かな図書館に大きなクォーターが落ちる音がこだまします。しかもその両替機の横には常に誰かが寝ている事で有名なソファーの群れがありますぅ。


音楽関係書籍の執筆者、出版社の方々へ提案(お願い)

日本の音楽関係の書籍を執筆されている方や出版社さんに提案があるのですが、ジュリアードの図書館に本を寄贈って言うのはどうでしょか。この図書館は、1階が譜面、2階が音楽関係の書籍があります。2階の音楽書籍は英語の本がもちろんメインですが、若干、日本語の書籍も見かけます。アメリカの図書館で日本語の専門書籍を扱ってくれているのは大変うれしい事です。

しかしジュリアードに置かれている日本語の本は、1960年代、1970年代に出版されたもので、多くの日本人に読まれる為、ぼろぼろになっています。少し残念でもあります。それらの本は旧仮名遣いだったり、写真が高度成長期の頃の写真で、内容はもちろん古く、一歩間違えれば日本の音楽レベルを誤って理解する原因になりそうな古い本ばかりなのです。せっかくアメリカの音楽図書館に日本の音楽書籍・文献を置いてくれているのですから、ぜひとも新しい内容の本を寄贈して充実させたいのです。

ジュリアードの図書館には月々百冊程度の本が入荷されていると思われます。しかし日本語の書籍は増えている様子がありません。多分過去の一時期に日本語の本を入荷し、それ以来増えていないのでしょう。せっかく日本から素晴らしい音楽の専門書が多く発行されているのですから、ぜひともジュリアードの図書館にもそれらの本を置いて欲しい。

特に日本で最大手のO社の方、一度この図書館を視察されたら、このような古い本達がぼろぼろになってまで読まれている現状に驚かれると思います。そして御社の本が日本人達にぼろぼろになるまで真剣に読まれている状況に感動されると思います。ジュリアードの図書館に日本の音楽書籍がある事は、日本の音楽教育にとってもビジネスとしてもうれしいですよね。




あのIDの中には? (駄文系)

ジュリアード音楽院の ID(Student/Teacher ID)は普通のカードより少し分厚く、カードには Motorola と書かれています。どうも電波を発しているらしい。持っているだけで Security Check が出来るということはそういう事かな。そう言えば、やたら Barns & Nobel の Security Check でひっかかるのだけどこれが原因?次世代のカードかもしれないけれど、行動をチェックされているようで気持ち悪いなぁ。

この IDカードの上部には細長い穴が空いていて、ここにリングを通して部屋の鍵をつける事が出来るようになっています。しかしここにリングを通してしまうと、カードの穴の部分を「ぱきっ」と折ってしまう事が多々あります。注意しましょう(経験者談)。

ID を作るためには Street Level の ID Center へ行くのですが、そこでは ID用の写真が問答無用、あっという間に撮られます。注意する事はあの部屋には鏡がない事です。あの Office に行く前、必ず鏡で髪型・メイクなど確認しましょう。その IDの写真が気に入らずに再チャレンジする人もいるという事を聞きます。しかし、理由が盗難でも再発行費用は取られます。




「らくがき」でふと思ったこと(駄文系)

ジュリアード音楽院内で一番豪華なトイレと言えば、地下1階(S)のトイレでしょう。他のトイレや教授用のトイレは一般的なトイレなのに比べ、ここの VIP用トイレは異常に照明が明るく輝いています。鏡も大きく必要以上に清潔かつきれいです。水道も全自動で水が出てきますし、個室でラジオ体操が出来そうなぐらい広いです。床のタイルも白さが眩しすぎて、きれいすぎて落ち着きません。なんなんだか、このトイレはぁぁ。

すいません、いきなりお下劣な話題で。しかしきれいなトイレを紹介するのだからきたない話ではありませんよね。

反対にもっともジュリアード内で汚れている所と言えば、うーん難しいです。いっぱいありすぎる。某教授の部屋かなぁ(うそなり)。強いて無難にあげるのであれば、図書館入り口横の非常階段の最上階に、更に隠れ部屋(4m×4m)のようなところがあり、そこは煙草が散らかっていて汚れています。そこは天井はあるのですが、テラスのようになっていて実質戸外です。戸外にもかかわらず煙草の臭いがこびりついているあのテラスは汚い。

そこには通常いすが2つほど置かれていて、演奏者がそこで個人練習をするのですが、座ることができてシャバの空気も吸えて、演奏後に隠れて一服するにはもってこいの場所のようです。NYは建物内の喫煙には厳しい法律があって、ジュリアード内ももちろん喫煙禁止です。その為、この場所を知っている生徒はここに来て、隠れて一服します。私は嫌煙家ですが、演奏後の一服ってなんとなく解りますものね。

いつもの如く話が脱線して恐縮ですが、トイレの話の続き。こっちが本題です。トイレに落書きがよく書かれるのは日本でもアメリカでも一緒。ただジュリアードのトイレの落書きは他と少し違います。例えば「Stockhausen sucks ! 」とか「Prokofiev is my Bitch ! 」とか。高尚なんだか低レベルなんだか・・・・。うーん、なんだかなぁ。



よく使われているもの、滅多に使われないもの(駄文系)

ジュリアードで最も使われているものと言えば、間違いなく練習室のピアノでしょう。朝から晩まで休む事なく、がんがんピアノの生徒によって弾き続けられています。よくそれらのピアノでついつい「♪毎日毎日僕らは練習室で、弾いて弾かれて、いやになっちゃうよ♪」と「泳げ!たいやき君」を弾いてしまう私ですが、本当に哀しいピアノの悲鳴が聞こえてきそうです。

余談ですが私がこの部屋を退出する時は「上を向いてあるこう」をほぼ必ず弾きます。ジャズで演奏の仕事で最終ステージの最後の曲は「上を向いてあるこう」を弾くのが私の儀式で、その名残かな(そんなタイソーなもの?)。この曲を弾くと今日も一日よく弾いたと思える私はしあわせ。

さておき、がんがん弾き壊されるピアノがある一方、ジュリアード内には滅多に使われることのないスタインウェイのグランドピアノと言うのも多く存在しています。それらは通常、部屋の片隅に布のカバーを掛けられて、物や譜面を置く台として使われています。そしてそのカバーが取られるのは調律の時だけで、調律が済むと再びカバーが掛けられテーブルや物を置く台と早変わりします。生徒によっては「こんな所にピアノがあったのか」なんて驚いてみたり。練習室のピアノがフル稼動、使われすぎでガタガタなのに、眠っているピアノがあるのももったいない話です。

最もジュリアード内で使われることの少ないものは、ずばり図書館2階にある個人独習用机でしょう。これは机が個室のようになっていて、他人の邪魔なく勉強できると言うものです。数は50ほどあります。私はよく使うのですが、使っている人は滅多に見掛けません。多分一日の利用者数は5人以下でしょう。これが普通の一般大学なら満室となるのですが、ここは音楽の大学、使う人がいないのも当然と言えば当然。ここでいるぐらいなら練習するほうが有意義ですものね。この図書館も近々改装の予定があるようです。



ジュリアード半日観光

ジュリアード音楽院の学生か関係者しか内部に入れないのですが、日本から観光で来られた方には、以下のように勝手にジュリアード気分を楽しむと言う手もあります。


(1)まず最初にAlice Tully Hallのボックスオフィスに行き、その日にジュリアードの学生によるコンサートが開催されているかを尋ねます。英語に自信のない人はエントランスに置かれている今月のコンサートリスト(片面がアヴェリーフィッシャーホール、反対面がアリスタリーホールのコンサートリストになっている)を手に入れ、Juilliard Students(Ticket required)と書かれたコンサートの日程を調べます。

もしその日にコンサートがあればボックスオフィスに行ってコンサートリストを指差しながら「2 Tickets Please!」とか言うと、「Juilliard Box Officeへ行け」とか「開演30分前にもう一度来い」「No Tickets Needed」等と言われます。「Juilliard Box Office」はジュリアード音楽院正面入り口とカフェテリアの間にあります。そこでチケットをまず確保します。このコンサートは水曜の午後1時(ほぼ毎週)か平日8時(月3-4回)に開催される事が多いようですが日によって違います。ジュリアード学生、先生のコンサートは通常無料なので、音響の良いアリスタリーホールでクラシックを無料で聴く事ができます(このホールの通常料金は$25-$40)。

(2)次にアリスタリーホールの横のエスカレーターを昇ってジュリアード音楽院の正面入り口へと向かいます。正面入り口の回転式ドアーを入るとすぐセキュリティーゲートでIDカードが無いと入れないのですが、セキュリティーゲートの手前の通路を左に曲がるとそこが入学希望者用のオフィス(Office of Admissions)になっています。そこの入学希望者用のオフィスの一つ目の部屋で「入学案内を一つ下さい」としっかり入学案内を貰いましょう。

この時、簡単な申し込み用紙に記入しないといけないので、ある程度の度胸が必要になります。この申し込み用紙には確か「名前、連絡先、専攻するメジャー、プログラムの種類」などがあったと思います。メジャーには楽器名が書かれていますので好きな楽器に丸してください。プログラムの種類は若い方なら大学(Undergraduate)、ある程度の年齢の方には大学院(Graduate)に丸すれば良いでしょう。ここであまりに英語がたどたどしいと「ジュリアードに入るためには、まずTOEFLと言う英語のテストを受けて・・・。」なんて説明が入って、TOEFLの申込書を渡されてしまいます。書き終えるとジュリアードの入学要項と申込書、そして50ページの立派な写真集、もとい「Juilliard Viewbook」と言うのが貰えます。この本はジュリアード音楽院の解説書になっておりオールカラーの立派な本です。

(3)「Juilliard Viewbook」を貰ったら、次にジュリアードのカフェテリアに行ってみましょう。一度ビルを出て隣の高いビルに行きます。守衛の入る脇を通り抜けるとカフェテリアになっています。守衛がいるので少し入りにくい雰囲気ですが、学生以外も利用できるのでここでお茶をするなり昼食を取るなりして、ジュリアードの学生を観察するのも楽しいかも。また壁にはジュリアードを題材にしたモダンな絵もありますので鑑賞するのも良し。日の当たるきれいで気持ち良いカフェテリアになっています。ジュリアード正面玄関前には、春先に桜が咲き、冬には雪だるまが並び、夜はイルミネーションと大変きれいです。

カフェテリアのメニューに魅力を感じなければ、ジュリアード裏手(67th St bet.B'Way and Amsterdam Ave,)にある「Old John's」で食事はどうでしょう。ここはジュリアードのIDで10%割引がある為、学生がよく食べに来る店です。アメリカの食事に馴染まない私にもおいしく食べれます。ランチは$7程度でメニューも豊富です。営業時間は朝7時から夜12時までですので、オペラなどのコンサートの帰りにも寄れます。

(4)カフェテリアを後にしたらそのままジュリアード玄関を通りすぎアリスタリーホールに向かうと、途中にジュリアードの譜面屋さんがあります。ここでは譜面以外にも理論書や教科書、CDなども取り扱っています。譜面の種類は余り多くなく通常は注文して取り寄せるシステムになっています。ジュリアードの学生がどのような教材で勉強しているかを知るには興味深いお店ではあると思います(中には英語の教科書もあったりします)。

この本屋には何故かNYの観光地図や外国語辞書なんてのもあります。音楽の好きな方ならJuilliard Schoolと小さく名前の入ったオリジナル白譜面(カウンターの奥=10段譜100枚で$8.95とお得、但し紙質極悪)、ただ単にお土産の欲しい方はジュリアードオリジナルのペン($0.5〜)やロゴ入りカバン($30〜)など。ここの服類はすぐに襟が伸びますので余りおススメできません。しかもこちらは乾燥機で乾燥させるのですぐに型くずれしちゃいます。

(5)お土産を購入したら、先程入手したチケットでアリスタリーホールのジュリアード学生による無料コンサートを聴きに行ってこのツアーはおしまい。お土産に物足りない方はリンカーンセンター内の各ホール一階やプラザの地下にそのホールのオリジナルグッズ屋さんがあるので、そこでお土産を買うのも良いかも。過去の名演奏のオリジナルCDなんてのも売っているお店もあります。天気が良い時はリンカーンセンターの正面噴水の所に移動式飲食店が出ているので、お洒落にエスプレッソバーで昼下がりを楽しむのもいいですねぇ。と言う事でジュリアード半日観光の巻でした。



ジュリアードの建物に入る為には

本当にジュリアードの中まで入りたい方は、図書館に電話してアポイントメントを取って正式に入ると言う手もあります。図書館は5階。この図書館ではよく蔵書の販売セールもやっているので電話でその日を確認して予約を取ると、一度で二度おいしいかも。

その他にもジュリアード内のコンサート(Paul Hallなど)をチェックして、入り込むことも可能です。スケジュールについてはボックスオフィスかコンサート情報ペーパー「Juilliard Season Listing」「Calendar Of Events」で確認して下さい。

ただポールホールでの大きなコンサートの時は、コンサート入口脇のメインのエレベーターの前にクラーク(服や荷物を預けるオフィス)がオープンして、エレベーターに乗ると目立ってしまいます。何か尋ねられるかもしれません。そこでトイレを探しているふりをして(細かいなぁ)、エレベーターの反対側の階段で上がれば、フリーパスで建物内を散策、いや見学できるでしょう。ジュリアードの建物は下の階に行けば行くほど警備が厳しくなるので、間違えても地下に下りていかないように。地下は警備用のテレビカメラでしっかり見張られています。

非合法に入るのであれば(しちゃいけないなり)、入り口セキュリティゲートには2つの回転式ターンバーの入り口があるのですが、その更に左側に大きな楽器を持って入る人用に大きな入り口の戸があります。生徒の頻繁に出入りする時間帯によっては、そこの入り口のチェックが甘いようです。そこからまるで学生のような振りをして入ると言うことも出来るかもしれません。この時、ダブルベースやチェロなど持っていれば、更に入りやすいでしょう。良い子はこのようなことはしてはいけません。

また時間帯、時期によっては入り口ターンバーがフリーパスの時も・・・。



ジュリアードの建物に入った暁には

(1)ジュリアードの月刊新聞「The Juilliard Journal」(20ページほどの新聞)をエレベーター前でもらう事を忘れずに!内容の充実した立派な新聞です。ついでにエレベータ前の掲示板で今後のジュリアードのコンサートやフォーラム、公開クラスなどの予定も確認すると楽しいでしょう。

(2)ついでに5階の私書箱の横の掲示板で「楽器売ります買います」のコーナーで掘り出し物の楽器売買をチェックする事も必要です。ちなみに売り出し中のピアノはすべてスタインウェイのグランドピアノばかりです。バイオリンの弓やフルートぐらいなら買える値段かも。

(3)また、5階図書館のカウンターにある「今月の新入荷リスト」を貰うのも楽しいでしょう。更に図書館内の検索システムで自分の好きな作曲家のリストをプリンターで打ち出して記念に持って帰ったりして。根性のある人は、図書館のコピー機脇にあるミスプリント用の箱からミスプリの面白そうな譜面を大量に持って帰るとか。また、図書館の中古本販売セールの日をチェックして再度ジュリアード侵入を試みるとか。

(4)3階のオーケストラライブラリー前(317)に希に箱が置いてあり、その中には使い古されたオケのパート譜やコピー譜が自由に持ち帰りできます。もしこの箱の中に譜面があればあなたはラッキーです。すかさず持って帰りましょう。観察すると指揮者の指示事項や上げ弓、下げ弓のマーク、よく間違える所の注意マークなど過去のジュリアードオーケストラメンバーの奏法が盗めます、なんて。

(5)4階のProfessional Artist Services(就職課?Room406)で「Juilliard Jobleter」と言うレジュメを貰って「University Positions」や「Orchestral Positions」欄の電話番号に片っ端から電話をかけまくって「Audition」のアポイントメントを取ってみたりして。この時、就職課の職員にジュリアードの名刺をもらって「Audition」に持っていったりして。

(6)さらに余力があれば、オーケストラリハーサル室(Bruno Walter Oechestra Rehasal Room 309)でオケリハが行われているかを317の掲示板のスケジュールで確認し、あれば関係者のフリをして見学に行きましょう。指揮者と演奏者の闘い、もしくは妥協している姿が見れるかもしれません。通常月曜・木曜はほぼリハがあります。また4階の個人レッスン室(Pf Practice Room)で窓越しに演奏を聴くのも良いかもしれません。いかんせんジュリアードは、学生とプロとをはっきり区別できない所です。各個室のそれぞれで素晴らしい演奏が聴けます。ジュリオケはヨーロッパや日本にツアーに行くほどのオケです。ぜひ楽しみましょう、なんて。

(7)最後に5階図書館に戻って学生達と一緒にソファーでお昼寝を楽しむ。この時まくらを持っていくとさらに快適に眠れますぅ。座れば自動的に眠たくなるこのソファーは世界的に有名です。多くの有名演奏家がこのソファーで寝て育ったと言われているいわく付きのソファーです。ジュリアードと言えばこのソファーと脊髄反射で連想をしてしまう有名演奏家は数知れず(たぶん)。

そのソファーで昼寝をすると、あなたもソリストとしてカーネギーホールでデビューしている夢が見れるかも。ただヨダレの滴れたソファーに座ってしまわないように注意が必要です。他にも頭の位置と足の位置が決まっているソファーもあります。みんな土足で寝ますので、足の位置を頭にして寝ないように注意しましょう。ソファーのルールが解らなければ隣の生徒に尋ねてみましょう。あっ、隣の生徒も寝てましたか。





ジュリアード内での情報誌・定期刊行物

ジュリアード内には毎月発行されている新聞「The Juilliard Journal」があります。これは20-30ページほどで文章の量も多く、立派な新聞の形式になっており結構読み応えあります。

内容についてはもちろんジュリアードの内輪の話ばかりですが、「エリオットカーターの90歳のお祝いコンサートが行われた」とか「ピエール・プーレーズの初演作品がジュリアードアンサンブルで演奏された」とか、けっこう面白い記事もあります。他にも「卒業生は何処へ・・」「卒業生の消息情報求む」「こちらのパフォーマーで流行っているアレクサンダーテクニック(ステージで自信を持ってパフォーマンスする為のスキル)の記事」、広告では「リペア専門楽器屋さんの広告」「オーディションの告知」などきちんと読んでみるとそれなりに面白いものとなっています。



一方、ジュリアード関係のコンサート情報は、コンサート情報ペーパー「Juilliard Season Listing(毎シーズン発行)」「Calendar Of Events(毎月発行)」で入手します。「Season Listing」には主だった予定が一枚の紙に載せられおり、大変見やすいです。ただ細かい所までは網羅されていません。しかし「Calendar Of Events」は4-5枚の紙に両面印刷されており、ジュリアード内のほぼ全てのコンサート情報が、しかも曲目が決まっている場合は、曲目、演奏者、指揮者などのデータも掲載されています。

これらにはフリーの素晴らしいコンサートスケジュールが満載です。多くのコンサートで「Free, avialable two weeks prior to event」「Free -ticket required」となっていますので、気軽にグレードの高い演奏が聴けるチャンスだと思います。これを利用すれば日常的に音楽が楽しめることとなります。チケットはジュリアードボックスオフィスで請求します。この時、チケットを封筒に入れてくれるのですが、このジュリアードの封筒が格好良い、と言う説もあります。

また「Calendar Of Events」にはマスタークラスの情報も載っていますので、問い合わせて枠があれば一般でも参加できます。費用は$20〜。



この他には「Juilliard Jobletter」と言う就職情報ペーパーもあります。これは年9回発行(夏季冬季を除くほぼ毎月)されており、学生、卒業生宛のペーパーです。表紙には$20と書かれていますが、4階のProfessional Artist Services(就職課?Room406)のテーブルにはコピーされた物が置かれており、自由に取ることが出来ます。ここには各地のオーディションの手紙や募集チラシなども置かれており、日本でのオーディションの告知などもよく見かけます。

この「Jobletter」は20ページほどの両面印刷で「Administrative Positions(大学や学校のDirector募集,全体に占める割合10%)」「University Teaching(大学の教授職,この募集が全体の70%ほど)」「Orchestral Positions(オケメンバーの募集とオーディション情報,15%)」「Dance, Theater(5%)」となっており細かい条件や連絡先などが記載されていて、学生は各自連絡を取ることになります。

ちなみにこの「Jibletter」をフルセットで貰うと表紙に「A job? I don't need a job. I'm going to be a STAR!」と言う一文だけが一枚の紙に大きく書かれています。職が欲しいわけではなく、スターを目指していると言うことですね。



もし月刊新聞「The Juilliard Journal」やジュリアード内のコンサート情報ペーパー「Juilliard Season Listing(毎シーズン発行)」「Calendar Of Events(毎月発行)」などを欲しい方がおられましたらメールでご相談下さい。

■追記:「The Juilliard Journal」は郵便による配達(米国内)が可能だとの事です。申込み先は以下の通り。年間購読料は$15。小切手による支払いのみ。バックナンバーはマイクロフィルムにて閲覧可能ですよ。→日本テレビ 様。

 The Juilliard Journal, The Office of Publications, Room S1,
 The Juilliard School, 60 Lincoln Center Plaza, NY 10023-6588
 212-799-5000 ext.340



その他(駄文系)

一番下のStreet Floorまで非常階段で降りて行くと、出れなくなって困るので要注意。その階段は階段側からが開きますが、一度階段を出るとSecurity上鍵が開けれなくなります。私は仕方なくWarningと書いたドアから逃げ出て警報を鳴らし、ごついAfrican AmericanのSecuritiesに追いかけられて逃げた思い出があります。あのフロアーに階段から行くのは私だけなのかなぁ。その出来事以来、あの非常階段の鍵の部分にThe Juilliard Journal(ジュリアードの学内新聞)を挟んで逃げ口を確保するようになりました。学習効果です。

こちらでは演奏会や仕事をする時「Gig(ギグ)」と言い、きれいなお嬢様とかが「次回のギグの衣装は白の清楚なドレスでぇ・・」なんて言います。私のギグというイメージは、X-Japanとか、もしくはアンダーグランド系のバンドが「次回のギグの衣装は・・・」と言うイメージを持ってました。どうでも良いですね。聞くともともとハコのJazz Musicianのバイショー(商売)用語だったそうです。

オーケストラ用リハーサル室(Bruno Walter Oechestra Rehasal Studio 309)は、オケに関係していない学生や一般の職員も丁寧に頼めば見学できます。指揮者やオケのメンバー、曲目、日程などはRoom317(Orchestra Library)の掲示板にリストとして貼っています。有名な指揮者などの時は無料でオケリハが見れるチャンスです。ドアを開けるといきなりメンバーが練習しているので静かに入り、オーケストラ後部の入ってすぐ右側の席がよく指揮者も見え、退出もしやすい席です。Forumと呼ばれる時は事前の予約が必要です。

ちなみにジュリアード内には、Juilliard Orchestra、Juilliard Symphony、New Juilliard Ensembleの3つです。その他にも非公然団体として多くのグループが結成されては消えていっています。

アメリカには不思議なスナック菓子の自動販売機が多々存在します。日本では見たことのない型で、かなり原始的な構造の自販機です。直径5cmほどのスプリングにスナック菓子が挟まっていて、お金を入れるとそのスプリングが回り、挟まっていたスナック菓子がポトリと落ちてくる構造になっています。まるでUFOキャッチャーのようにガラス越しにお菓子が落ちてくるのが確認できます。これらの自販機では主に「バランスバー」と呼ばれるビタミンとミネラルの詰まった栄養補給スナック(カロリーメイトのようなもの)が売られており、ランチに行く時間が無い時や朝食代わりにこれらでお腹を満たします。甘さは強烈です。

ジュリアード内に、この手の自販機は2階貨物用エレベーター横と5階学生用私書箱横、カフェテリア脇にあるのですが、ジュリアード音楽院別館のカフェテリア入口の自動販売機でポテトチップを買おうとしてコインを入れ、ポテチの入ったスプリングが回ったのはいいけれど商品のポテチがそのスプリングに引っかかったまま落ちてこない!頻繁にこの現象が発生するぅ。ガラス越しに半分落ちかけのポテチが見えるだけに悔しいなり〜。UFOキャッチャーではないのだから、お金を返してくれぇ〜!




全くの私見です。ジュリアード音楽院の内部に付いて徒然とよもやま話。


|  BACK  |  TOP  |  NEXT  |
| [ Home ] | 海外生活のススメ | ジュリアード音楽院 | New York 音楽事情 | 海外便利グッズ |
New York 風 噂 聞 書