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Living Abroad #1
海外で住むと言うこと(準備編)。
日本脱出マニュアルと生活立ち上げチェックリスト


海外での生活は、楽しくもあり、辛いこともたくさんあります。来た当初、全てが非日常で刺激的でしたが、1年経ち、2年も過ぎると色々なことが見えてきます。振り返ってみると辛いこともすべて楽しい思い出へとすり替わっていることに気づかされます。渡米した時に直面した出来事など巷間の俗説です。
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準備

行きたくて行く人も、行きたくないのに行かねばならぬ人も、海外生活は新たな価値観の上での生活を強いられます。日本での常識が、海外では非常識だったりします。もちろん言葉の壁も存在します。人によっては食事の問題、健康上、精神上の問題、子供の教育環境まで及びます。これらを「文化の違い」とたった一言で言いますが、この「違い」は余りにも大きな違いで、刺激的で楽しい反面、苦痛をともなうときもあります。

しかし準備を周到にする事によって、この苦痛を少しでも軽減させる事は可能になります。特に言葉の問題は必ずと言ってよいほど事前準備が必要です。言葉以外にも、生活習慣、地理、安全に関する知識などを本で事前に知っておく事により、心の準備と共に、優先順位がハッキリと解ってくると思います。そこで、多くの本などを読んで事前にイメージをつかむ作業が必要となります。

さて、日本脱出の為のチェックリストです。

出国までに

ビザ(別記)

□予算の計画、
 □送金方法:

日本からの送金方法、トラベラーズチェックによる当座資金の確保などの準備。送金では「郵便為替証書による住所宛送金(郵便局で為替証書を発行してもらい国際郵便で送付、現地の郵便局で現金化)」が手数料が最も安いでしょう。

日本から現地の自分の口座、または指定先の口座に送金するのもよく行われますが、私の周りに限ってはトラブルが多いといえます。現地の某金融機関の駐在員の方で法人取り引きをしている口座からの送金はなぜか上手くいくのに、個人での送金や違う銀行間のお金のやり取りとなるとなぜかトラブルが起る友人がいます。日本の銀行から取引先の現地の銀行、そして指定先の銀行本店から口座のある銀行支店と最低4つの経路を通る間に、どこかで問題が起るのです。

このような現状の中で、最も簡単に日本で準備できる方法は何と言っても「CITI BANK」です。手数料や送金のトラブルがよくありますが、やはり世界中でカードが使えるのは便利です。また口座開設も非常に簡単です。欠点としてはトラブルが起った時、銀行側(CitiBankの日本側)の対応は悪いと大変評判です。多くの日本人駐在員が怒っているのも事実です。やはり外資系、日本の銀行のようなサービスは一切期待できませんよねぇ。

予算の計画についてですが、これだけは「円と現地通貨の為替」の問題もあり予定を立てるのは至難の技です。しかし為替変動があったとしても通常プラスマイナス15%の幅でしょう。もし円が安くなったらその分予定より早く帰国する、高くなったら長く滞在する、と考えた方が前向きに進むことができるのかもしれません。

□クレジットカード作成、
 □トラベラーズチェックの手配:

クレジットカードは決済以外にも身分証明として必要です。特に銀行口座を開設するまではクレジットカードが無いと不便極まりありません。もちろん口座開設の時の大事な身分証明にもなります。ID写真付きのクレジットカードは信用にも箔がつき、何かと便利です。

サービスの良さは何といってもアメックス、しかし年会費が異様に高いので、VISA,Masterがあれば充分です。銀行や信販、郵便局などの提携カードなら年会費無料で加入できます。JCBもNYでは結構頑張っています。小さなスーパーでも使えたりします。万が一の為にクレジットカードは2社(例えばVISAとMaster)以上に入っておくことをおススメしますぅ。

ドル紙幣よりクレジットカードやトラベラーズチェック(T/C)の方が信用あるのは皆様既にご存知の通り。銀行では現金よりT/Cの方が換金レートの良いこともあるので、T/C発行手数料が埋め合わせ出来る時もあります。

パスポートの有効期限の確認:
意外とよく聞くちょんぼがこの有効期限の確認。日本出国時に期限内であることはもちろん、滞在中に有効期限が来ないように注意する必要があります。1年しかパスポートの期限がないのに2年のビザを申請したりすると、ビザがおりなかったりする原因にもなります。またコピーは数部とり日本の家族にもコピーを残しておくことをお勧めします。

医療保険か海外旅行傷害保険:
どんなに健康に自信があっても海外旅行保険や健康保険は必須です。アメリカの医療費の高さは尋常ではありません。入院では一泊$1000近くかかりました。無難なのは、日本で旅行者保険に入ってくるのが無難です。バラ掛けで傷害、疾病、賠償責任には、特に大きく掛ける事をお勧めします。

保険は日本で入ることが可能な「海外旅行傷害保険」と現地で加入できる「民間保険(Fee For ServiceかManaged Care)」の2種類に大きく分けれます。現地の「民間保険」の方が保険料は安いのですが、自己負担金の上限や免責($500以下の診察費用は自分で負担しなければならない等)などで結果的に高くつきます。更に休暇中、帰省中のトラベルの病気や、救援者費用(事故時、家族の渡航費、宿泊費をカバー)などはもちろん対象外です。また日本語で医療相談が24時間できるメリットは高いとも言えます。それゆえ、日本人は日本で加入可能な「海外旅行傷害保険」に入るべきです。

最近、海外旅行保険の期日更新が厳しくなっています。日本で入ってくる時にできる限り長い期間入ってくることをお勧めします(例えば2年予定であれば、保険期間は3年にする等)。滞在期間が長くなることは往々にしてあります。もし途中で帰国することになれば、残存日数分は現金で全額返却してくれます。更新を拒否されて大変な目になるより、保険外交員が喜んで加入を勧める最初の時点で、長期間の保険に入る方が賢明だと思います。

駐在員の方も医療負担の限度額がある場合があり、それを超えると自己負担となりますので会社の規約の確認が必要です。例えば年間$3000までは会社の保険扱いだがそれを超えると自己負担となるケースですが、入院するとあっという間に$3000は超えます。駐在員の方でも最低限の「海外旅行傷害保険」には我が身を守るおまじないと思って入るべきです。

海外旅行傷害保険の保険料はどの会社も値段は一緒ですので、サービスや現地の連絡体制、日本語サービスなどのアシスタンスサービス、立替払いのない提携病院の数などサービスの質を参考に選ぶ事になります。加入は最長で5年間。私は東京海上火災保険に入りましたが、NYの東京海上オフィスの人達のサービスや心配りは素晴らしく、感心するのみです。困っている時(泥棒に入られた時)や病気の時(食中毒)に優しくしてくれると言うのは、本当にありがたかったですぅ!!Thanx!

また車を運転する人は、日本で車の運転特約か自動車保険に入って来ると良いでしょう。アメリカに来てすぐ高額の自動車保険に入るのは難しいとの事です。

□健康診断、
 □歯の治療、
 □予防接種、
 □携行薬品の確認、
 □コンタクトレンズの予備、
 □英文処方箋・英文医療記録:

ぜひ渡航前に健康診断などを受けておく事をおススメします。学生としてこられる方は、予防接種の記録を提出させられますので、渡航先の予防接種の種別を調べて日本で受けておく事もおススメします。こちらで受けると費用が高かったり、公共の予防接種では長時間待たないといけないなど不便です。しかも薬の量やAIDSでちょっと不安だったりします。できる限り日本で受けてきましょう。駐在員として来られる方は会社で健康診断や予防接種を受けさせてくれます。

私達の周りでも数人が歯の治療の為に日本に帰っています。私もこちらの病院で歯の治療を受けましたが、治療費は莫大です。特に歯の治療には保険が適用されないので帰国して日本で治療を受けても値段は変わらないと言う話です。

歯の治療以外にも、出国前からの病気(既往症、疾病治療)・妊娠・出産にも保険は適用されません。例えば持病で何かを持っておりすでに治療を日本を受けたことがあった場合、条項により保険の支払いを拒否されます。以前は申請すればすぐ保険金の支払いがなされていたのですが、最近厳しくなってきているそうです。なかには治療目的の為に渡米し、保険金で最新の医療を受ける人がいるケースまであると聞きます。いずれにせよ出国される前に歯の検診および健康診断を受けることをお勧めします。

念の為に視力検診も受け、コンタクトレンズかめがねの予備を作っておくと、万が一の時に役立つかもしれません。

各種手続き
 □住民税、□固定資産税等納税、□自動車税、
 □国民健康保険証、
 □各種年金、
 □子供の教育関係、□学校への転校届、□海外での子女教育手続き
 □市役所への転出届、
 □予防接種、
 □国際免許証
 □郵便局への転出届

飛行機チケットの手配:
チケットは「フィックスチケット(出発も帰国も便が指定されている)」と「オープンチケット(出発日を決めるが帰国の便は自由に設定できる)」の2種類があります。

通常、海外生活をする人達は「オープンチケット」を買いますが、これは期限があり、30日から1年間まで飛行会社によって変わります。旅行会社は仕入れの安いチケットを高く売りたがるので、期間の短いチケットを薦められるケースが多いようです(期間の短いものの方が仕入れコストが安い)。向こうから期間のことは言わないので、こちらから期間の長いチケットについて尋ねましょう。少し高くても1年以内に帰る可能性がある人にとっては安くつきます。

片道チケットは割高となっていますので、一年以内に少しでも帰国する可能性のある人は往復チケットを買った方が良いでしょう。また、現地の入国管理局は片道チケットで来る人には警戒しているという事もあります。

その他にも行きと帰りで違う空港を使うことのできる「オープンジョー」や乗り継ぎ時に中継地点で24時間以上の滞在のできる「ストップオーバー」、何回ストップオーバーしても良い「ゾーンチケット」など旅行会社が儲からない割に手配の嫌がるチケットが存在しますので、滞在プランに合わせて飛行機のチケットは慎重に手配することをお勧めします。最近は旅行会社も信用しにくくなっています。売れ筋チケットや正規料金以外のチケットはすべて注意が必要です。

また現地到着時間にも注意が必要です。できる限り現地到着が深夜にならないような飛行機を選ぶべきです。例えばNYのJFK国際空港で、日系航空会社の飛行機はNY時間の午前中または朝にJFKに到着します。しかしチケットの安いノースウエストやユナイテッドは夕方以降に到着します。米系航空会社でサンフランシスコやデトロイトで乗換えか経由する便に至っては、到着時間がもっとずれ込みます。チケットの値段の差は数千円程度でしたら、安全な日中に到着する便の利用をお勧めします。

現地到着後の移動手段の確保:
空港に着いてから、空港から現地までの交通機関を手配しておくと不要なトラブルに捲き込まれる可能性がぐっと減ります。空港に友人などの出迎えがある場合、友人の車で現地まで連れていってくれますが、それ以外の場合は通常レンタカーを借りるか、タクシーと言う事になります。空港によりますが白タクシーに強制的に連れられていったりするケースもあります。可能であればレンタカーの移動が後々便利です。

レンタカーは現地空港で借りれますが、日本で予約する事も可能になります。一説によると日本で予約すると保険代が安くつくので、日本での予約の方が安いとの事。車で生活しないといけない地域では免許も所得しないといけないので、到着後一ヶ月ほどまとめて借りてしまって良いと思います。その間に新たな車の購入、アパート探し、そして免許所得の為の路上試験でもレンタカーで受けれます(地域によるかも)。大手は、Hertz,Avis,Alamo,Budget。

□引越し荷物、
 □引越搬送の手配

引越し荷物として持ち込めるのは、入国後6ヶ月まで。機内持ち込みはトランク2個までで20kgまで。超過荷物について日系の航空会社は結構大目に見て頂いているようです。業者だと20kgで約4−5万。郵便局のSAL便は20kg2万ほど、船便だと1万円ほど。

多くの物は現地調達が可能で、現地で売られている商品は値段も安く使い勝手の良い場合が多いです。現地に友人がいる場合は、漆器類の食器はNYでは乾燥でひび割れを起こす、足のサイズの小さい人は靴が手に入りにくい、などのこまごました情報を仕入れるとより能率良く渡航できます。無駄な物を持っていくより、日本語の辞書、日本語表示のコンピューターなどの方が充分価値があります。

日常品(詳しくは「Living Abroad#4 海外に持ってきた方が良い物」をご参照):
摂氏の体温計・薬(処方箋がないと風邪薬、頭痛薬以外は手に入りにくい)、コンタクトレンズ・メガネの予備・化粧品・生理用品・辞書・下着・包丁・証明書用の写真・病気の症状を英語で説明している本・料理の本(男性の方でもおススメ)・コンピューター(TOOL#1-2ご参照) など

その他:
 □挨拶状・引越し通知(友人など)
 □日本に残す家財などの保管
 □現在保有している車の処分 →陸運事務所
 □クレジットカードや現在利用中の書類などの住所変更届け
 □生保、損保会社への転居届けと手続き
 □給料受取り口座の変更
 □光熱費(水道ガス電気電話)や新聞の清算


入国後(生活立ち上げチェックリスト)

家捜し(後述)

□現地での身分証明書(Social Security Card)、
 □免許の所得:

日本のパスポート、クレジットカードなどでこれらの身分証明書を手に入れれます。特にSocial Security Cardが無いと、銀行で口座開設や不動産の賃貸契約などでも多少面倒になる時もあります。

97年頃から社会保障を受給する資格がないと言うことで、留学生のSocial Security Cardの取得が難しくなっているそうです。Officeはあちこちにありますので、駄目なら数軒Officeのハシゴをするのも一つの手かもしれません。また、大学によってはForeign Adviserに相談し、Letterを発行してもらうと取りやすくなるとの事です。ちなみにコロンビア大学では新入留学生が揃ってSocial Security Officeに行きます(以前は)。

ビザを持っている外国人(私達のこと)は、「Valid for Work Only with INS authorization(納税する場合に限り就労可能)」か「Not Valid for Employment(就労禁止)」のSocial Security Cardを受け取る事になります。就労ビザか学生ビザの種類によって違ってきますが、最近は就労ビザを持つ家族も就労禁止のSSCを発行されるようです。オフィスによって運不運があるのは事実で、現地の日本人に情報をもらった方が無難です。私は「Valid for Work Only with INS authorization」をきちんともらってしまいましたぁ。

取り方はSocial Security Officeへ、パスポート、ビザ、入国管理票(I-94)、ビザ添付書類(I-20やIAP-66など)を持っていくのですが、F1ビザで留学生扱いの方は大学発行のLetterを持っていくべきでしょう。申請後、許可されたら1〜2週間で自宅宛にカードが郵送されます。なお母親方の姓名などのチェックもあります。

□銀行口座開設、
 □小切手の発行:

口座開設に当たり、通常Social Security Card、パスポート、クレジットカードなどの身分証明書が必要となります。こちらの銀行は倒産が珍しくない為、大手の銀行かFDIC(連邦保証公社)加入の銀行が無難。家賃・光熱費の支払いの為にも、小切手の発行できる当座口座(Checking Account)を開く。利息はつきません。通帳も存在せず毎月送られてくるバンクステートメントが通帳の替わりになります。

余裕資金があれば定期預金(Savings Account)を作る事をお勧めします。金利が安くなってきているとは言え、日本の定期に比べると金利はかなり良いです。口座維持の為にもひとつ定期を作ると、信用度も違い便利です。

日本のATMでの入金は現金を直接ATMに入れますが、アメリカは入金専用の封筒に入れて伝票と共に機械の受け入れ口にほうり込みます。この時、機械は紙幣の数を数えくれませんので後程トラブルになるケースがあると聞きます(なかにはアルバイト行員がくすねるケースも)。と言うことで私達は入金は窓口でしています。小切手をもらった時は窓口で裏書きをして、金種を指定、もしくは自分の口座番号を伝えると Teller(出納係)が現金を渡してくれます。

引き落としシステムがない為、電気・電話・クレジットカードの支払から給料の受取り・保険料の入金などすべてが小切手帳(チェックブック)でのやり取りになります。使い方は、(1)日付(先日付は不可)、(2)受取人の名前、(3)金額(算数字と文字で2ヶ所記入要)、(4)サイン、(5)メモ欄(公共料金の支払いなどはここに指定のAccount Numberを記入)を記入。メモ欄以外の4点(1〜4)は、小切手の絶対要件となっていますので、未記入だと支払不能となります。

注意する事は、登録した時のサインと同じサインをしないと不渡りとなりますので注意。2度の不渡りでブラックリストへ。通常、小切手使用の際は運転免許のIDを見せる必要あり。また小切手を発行しても、相手が換金化しなければいつまでたっても引き落としされないので、記録帳を必ず自分でつける必要があります。例えば不動産手数料$2000を小切手で払っても、相手が換金化する時にその金額$2000が口座に無いと不渡りとなります。その不動産屋さんが換金化するのは、明日かもしれませんし、1年後かもしれません。その間、常に$2000は口座に入っていないといけないので、それをチェックする為にも記録帳を必ずつける必要はあります(→これが結構面倒くさかったりしますが・・)。

また盗難時や郵送での小切手紛失、受取人からの紛失連絡があった場合は、名義人が支払停止(Stop Payment)の手続きを行わなければいけません。小切手は日常使うものだけに、ついついいい加減に取り扱ってしまうのですが、小切手は日本と同様、有価証券ですので、取り扱いはくれぐれもご注意を。

他にも、自分の小切手での現金引出しも可能。受取人の名前を自分宛にするか「Cash」と記入、窓口で提出すると現金引出し出来ます。色々な使い方がありますので、銀行窓口で問い合わせしてみましょう。日本で小切手を使いなれていた人以外は、結構悩ませられるものなのかも知れません。

  CITIBANK (212)559-7467(日本語サービス)
  東京三菱銀行(212)766-3456

移動手段の確保(車の購入)

各種手続き(在留届・電気・ガス・電話・郵便・CATV・新聞の配達)

在留届
在留届は最寄りの領事舘に郵送もしくは直接提出するだけですが、今まで一度もこのお世話になった事がありません。有事の際や天変地異の時に多分生存確認程度に使われるものと思われます。97年に泥棒に入られた後、一応領事館に電話で連絡したら、最初の一言は「パスポートは無事ですか?」と言われただけで、被害はどうだったかとか怪我はなかったとかは全然聞いてもくれませんでした。まぁそんな物かも知れませんね。役所ですから。しかし引越ししてもきちんと転居届を出しています。万が一の時に助けてもらう為に義務は遂行しましょう。いざと言う時の権利を残しておくために。

□水道・□ガス・□電気
NYの普通のアパート形式であれば水道と温水、ガスは家賃に含まれています。(たまにガスは別で支払っているケースもあるようです)。ただ電気は届け出るとすぐ使えます。電話一本で済みます。申込み手続きは、不動産屋やマネージメントカンパニーがしてくれるケースもあるようです。解らない時はマネージメント・カンパニーに聞けば、最低限申込みの電話番号は教えてくれます。

CATV
アメリカのほとんどの家庭はCATVに加入しています。引越しシーズンには大学などの近くでキャンペーンをやっていて格安で加入できたりします。友人に尋ねてみましょう。色々サービスがありますが、別料金でNHK国際衛星放送をケーブルボックスで見る事ができます(私達は入っていませんが)。日本語をキープすると言う意味で、お子様のいる家庭にはこのNHKは必須とも言えましょう。ただ地域によってはフルタイムでなく午前中のみと言う地域もあります。

郵便
郵便局に「Mover's Guide」と言う小冊子がありますので、引越し通知を郵便局にしていた方が無難です。ちなみに日本からNYで、航空便は1週間、早い時で5日ほど、船便は3週間から1ヶ月かかります。郵便物は大体届くようですが、過去にNYから日本に送った手紙が紛失した事があります。また他人の郵便物がよく私の家に配達されてきます。それらを見るとやはり不安。

電話
NYの場合、地元電話会社の加入は電話一本で済みます。ただサービスをチョイスしないといけないので、予めサービスの内容を友人に聞いていたほうが無難。便利なのはキャッチホンとコーリングカードでしょう。(主なサービスは以下参照)。たまに聞くのが新規加入の時、デポジットを取られるケース。デポジットを取られる時と取られない時とあるようです。ソーシャルセキュリティー番号がなかったり、明らかに外人の場合はデポジットが取られるのでしょうか?

 電話での主なサービス一覧(NY)。
 Calling Card :公衆電話での使用料金を自宅電話料金に請求。
 Call Waiting :キャッチホン
 Call Forwarding :留守中の転送サービス
 Caller ID :相手の電話番号を表示
 Call Trace :*57を押すと直前にかかってきた電話番号を電話会社が記録する。逆探知サービス
 Call Return :*69を押すと直前にかかってきた電話先を調べかけ直してくれる

大手長距離電話会社は日本語カスタマーサービスが常駐しています。値段を比較して一番お得なプロモーションに入ると良い。ただこのプロモーションも期限があり、通告も無しに値段が上げられるので注意。AT&Tで期限はないと広告にまでうたっていたプロモーションに入ったのに、急に値段を上げられ私はスプリントに変えました。以下はすべて日本語カスタマーサービスの電話番号。半年に一度は電話してみて、自分の契約内容を確認し、安いプロモーションが出ているか聞くと良いでしょう。

AT&T (800)338-8120
Sprint (800)366-1045
MCI (800)888-4800

最低限必要な家具・日用品の購入(□ベッド・□寝具・□照明・□電話・□台所用品・□いす):
最低限の家具は引越しと同時に必要となります。上記のような家具は現地で調達した方が日本より安く買えるケースがほとんどだと思います。大型店で購入すると、翌日には配達してくれるサービスが車のない方には便利です。NYの方には、TOOLSのページに無難なお店の一覧があります。

一番ベストな方法として、急がない人は滞在中の日本人や現地の友人に声を掛けていると、簡単に良い家財道具は揃います。引越しシーズンや帰国の為に生活道具一式をただ同然で手に入れる事ができます。私の家ももらい物でいっぱいで、それを新たに来た人へバトンタッチをしていくと言う互助会と化しています。

家具やTVなどレンタルすると言うのもありますが、一年以上滞在予定なら安いものを買ってしまっても良いと思います。通常この手のリースは一年で購入と変わらない金額に設定されているようですので、ちょっとずつ安いものを探して購入し、帰国時に半額以下で売ってしまうと言う手もあります。

NYでは通常、アパートに冷蔵庫、オーブンなどがついています。しかし照明は付いていません。照明が無いと真っ暗な中で生活していく羽目になります。連絡用に電話も必要ですが、Fax付留守番電話がけっこう便利です。日本との時差のことや、国際電話の料金のことなどを考えるとFax付留守番電話が役に立ちます。しかもそれは日本に持って帰っても使えますので、安い買物だと思います。詳しくはToolのページをご参照下さい。

その他の取り敢えず必要なものとして、お風呂がシャワーカーテン式の場合、カーテンが無いとシャワーを浴びる事ができません。高いカーテンを買うより、$1ショップで$1のカーテンを買って毎月新品に取り替える方が精神的に良いと思います。すぐに臭くなってしまいますぅ。

その他
近くで日本語の使える病院をリストアップすればいざと言う時に助かります。病気になって友人とも連絡が付かない時に役立つかもしれません。私も食中毒にかかりました。その他にもご近所さんの日本人家庭と仲良くする事は、お互いにとってメリットとなります。旅行中の新聞の回収(新聞がたまっていると泥棒に入られる可能性が高くなる)や病気になった時など、万が一の時に助けてもらっています(ありがとうございます!)。子供のいる家庭ならベビーシッターも必要です。日本人のベビーシッターは長年済んでいる日本人夫婦に聞けば紹介してくれたりします。


以上、書き上げていけばきりがないのですが、しないといけない事は山のようにあるのが事実です。しかも、これらに専念できる場合は少なく、ほとんどが何か(仕事・学業など)をしながら、これらを一気に処理していかねばならないと言うSuper Busy状態になります。そこで体力も必要となります。これらの中で最も大きな問題と言えるのが「新たな住居スペースの確保」と言う事になります。






住居の探し方

地理感のない海外で住居を探すのはかなり大変ですが、楽しくもあります。人によって優先順位は様々ですが、安全が最優先事項になります。治安については神経質すぎるほど気にする必要があります。予算や環境と言ったものはすべて治安に関係してきます。

充分注意していたはずの私達でしたが、過去に一度泥棒に入られています。どこにでも悪い人はいますが、より安全な地域や建物に入る事によって、そのリスクは軽減されます。安い家賃のアパートにはそれなりの危険な人が住んでいる事になりますし、その一帯は同程度の収入、属性の人達で構成されている事になります。一つだけ忘れてはいけない事は、「海外に住んでいる」と言う事です。

通常の家捜しのパターンは、ホテルや寮などの仮宿に住みながら、不動産屋を回ると言うケースだと思われます。この場合、宿泊料の高いホテルだと、どうしても家捜しを手短にせざるを得ないので、新居を充分検討なしに決めてしまいがちです。安い B&B、短期のアパートメントホテルやウィークリーホテル、YMCAなどで腰を落ち着けながら探す方が結果的に良い物件にありつけます。よい物件はすぐ決まってしまいますので、連絡がすぐとれる事とフットワークが必要になります。仮宿にメッセージを受けてくれる電話がある事が条件になります。

現地に住んでいる日本人の知人などの協力は大変参考になり、サポートしてくれる友人がいるのといないのでは大きな違いとなってしまいます。既に海外に居住している日本人達は、同じ日本人が来ると言う事でかなり親切に世話をするケースがよく見られます。やはり日本人が恋しいのか、お互い手を取って頑張っていこうと言う妙な連帯感を感じる時もあります。友人の友人の紹介でも良いので、現地に住んでいる日本人を見つける事は住居探しから生活までをスムーズに運ぶ第一歩となります。勿論礼をつくす事を忘れないように。

その他のポイントとして、
 □家具付きか、
 □コインランドリーは近くか、
 □家賃に光熱費が込まれているか、
 □インターホンの有無、
 □鍵は入居時に交換してくれるのか、
 □入居前の掃除の有無、
 □台所製品(冷蔵庫、オーブン、電子レンジ)がきちんと動くか、
 □暖房が作動するか、
 □風呂、台所の湯が出るか(上の階だと湯が出なかったりするぅ)、
 □おふろ、トイレの水が正常に流れるか、
 □泥棒対策を考え1階や最上階は避ける、
 □走り回るお子様がおられる家族は周りの住人(特に下の階)がどのような人がいるかを管理人にさりげなく聞いてみる(こっちの人は自己主張がすごいので子供がいるのを解っていて平気でクレームを付けてきたりします)、
などありますが、一にも二にも安全が優先されます。借りる前に昼と夜の最低2回は近所の雰囲気をチェックする事も必要です。

上記のチェック項目ですが、日本ではこのような心配はないのですが、アメリカではとんでもない事が起きます。お湯が出ないとか、水が流れないと言うのはよく聞く話です。入居してから不便な生活を強いられるより、恥ずかしくてもチェックはしましょう。








火災チェックの方法(おまけ)

NYでの引越し歴豊富なネィティブの友人に教えてもらった過去の火災チェック方法は、以下の通りです。彼はアパートを探す時のチェックの一つとして、非常階段の消防用ホースを見るそうです。

こちらの法律で各階の非常階段には消火用のホースが義務づけられています。未使用の状態だと、この耐熱の布製ホースはきれいに折りたたまれており、一度でも使用するとこのホースはきれいに折りたたむ事は困難となり、使用されたか使用されてないかが一目瞭然です。つまり、この消火用ホースを見れば過去に一度でも火事騒ぎがあったかどうかがチェックできます。

さらに、この布製の耐熱用ホースは一度でも水に濡れると、見てすぐ分かる茶色のまだらの染みがつくと言う特徴があります。つまりこのホースを見るだけで、以下の状態がチェックできると言う事になります。

(1)未使用できれいに折りたたまれている、→過去に火事騒ぎはない。
(2)使われた形跡はあるが、放水はされていない、→過去に火事騒ぎはあったが放水までには至っていない。
(3)放水された形跡がある、→過去に火事があり放水がなされた、または放水直前までの危険な状態に至った。


この話を聞いて、私のコープ(アパート)の非常階段を見ましたが、幸いこの階は使用された形跡も無く、きれいに折りたたまれていました。しかしかなり下のほうの階でホースが引っ張り出された跡がありました。濡れた形跡はありませんでしたので、放水はなされなかったようですが、ぼや騒ぎはあったと思われます。またジュリアード音楽院の非常階段では、濡れた形跡のある消防用ホースがあります。多分放水まで至る火災があったと思われます。

一般的な考え方として、過去に火災があったアパートは、火事騒ぎの無かったアパートに比べ火災が発生する確立が幾分高い、と考えられます。泥棒は物を盗むだけですが、火災は全てが焼き尽くされ命にも関わってきます。非常階段の消火用ホースを見て、激しい使われ方をしているアパートは、避けた方が無難なのかもしれません。

ろうそくやクリスマスツリー(ツリーに飾る豆電球でよく火災が起きている)が一般的で、熱を主に使う電化製品の多いアメリカ(高齢者も多い)では、火災の確立は高いように思われます。アパート探しの一つのチェックとして、消防用ホースを見る引越し経験豊富なネィティブのチェック方法は的を得ていると言えるかもしれません。



なお、スーパーやDIYのお店では、「Smoke Detector」と呼ばれる煙探知器が安価($10〜)で売られています。もしキッチンにこの探知器が無いのであれば、購入して設置した方が結果的に安くあがるのかもしれません。電池で動き、電池取り替えは一年ほど、両面テープで天井にくっつけるだけです。また魚料理をする時には、この「Smoke Detector」にプラスチックバック(スーパーのビニール袋)で覆いをすれば、アラームがならずに魚が焼けます(笑)。ただご近所さんから「人を焼いている臭いがするぅ〜」と言って警察に通報されるかも知れませんが(友人談)。




引越し後の蘊蓄

引越し後は、ロックスミスを呼んで鍵を替えることをお勧めします。費用は$50以上かかりますが、泥棒に入られることを考えると安いものです。男性で自信のある方は、ペンチ、ドライバー、鍵シリンダー部分を買ってくれば、自分で交換できます。シリンダー部分は$10ほどから売っています。お勧めのシリンダーは「Concept社のSecure Deadlock US-10」です。これは通常の鍵ではなく、ミゾの彫り方が特殊な鍵です。普通の鍵とは形状が違うため、少しは開けにくい筈です。

その他にも、ハウスルールとしてごみ出しのルールやコインランドリーの使用できる時間帯、不在時の郵便小包の受取りの方法、水道のトラブルなどの緊急時用のマネージメントカンパニーの連絡先など住まいによっては色々なハウスルールが存在します。これらは住民や管理会社の人に聞いていくしか方法はありません。

引越し後のご近所周りはこちらからはあまりしないようです。興味のあるアメリカ人は向こうから訪れてくれたり、廊下やエレベーターで会った時に引越し挨拶をするようです。近所に親日家がいたりすると、仲良くなっておくと色々教えてくれます。私のアパートにもちょっとスケベ(自称)なユダヤ人の親日家が住んでおり、懇切丁寧に色々教えてくれたり、エッセイ(英文のペーパー)などの文法チェックをしてくれたりもします。また週一回ほどは電話をくれて心配もしてくれます(たまに度がすぎる時もありますが、基本的に感謝しています)。

ドアマンやスーパー(管理人)がいる場合は、チップなどを渡して味方に付けると気分的にも良いです。話し相手にもなってくれるし、何かと優遇してくれたりします。そしてドアマン、スーパー(メンテナンスの人)にはクリスマスのチップを忘れないように!アパートの質にも依りますが通常$10〜$20程度、仲良いドアマンには普段から少しずつチップを渡すと良いでしょう。クリスマス前には異様に愛想が良くなり、別人のようなドアマンもいます。そして、チップを渡さないと今後の態度が変わります。これ本当なり。






なお、NYでお住まいを捜される方には「Forest Hills」の項目に、New Yorkの住宅事情について記載があります。ぜひご参考下さい。




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全くの私見です。海外で住むことについて徒然とよもやま話。

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