- ■New York バックステージツアー
- ・ リンカーンセンター・バックツアー
- リンカーンセンター内には色々なバックステージツアーがあります。代表的なツアーに加え、New Art & Architecture Tour(リンカーンセンター内の装飾品や芸術品にスポットを当てたツアー)や、Piano Forte Tour(ピアノの歴史や技法などを見学するツアー)、Meet the Artist Tour(ゲストスターのリハーサルに参加するツアー?、グループでの予約申込みのみ)、NYフィルハーモニックのオープンリハーサル、メトロポリタン劇場だけに焦点を絞り舞台裏やリハーサルが見れるメトロポリタンツアーなど、その時々に応じてツアーが組まれるようです。詳しくはニューヨーク州立劇場地下にあるチケットセンターにて情報を得ることができます。
メインのコースは、センター内の劇場を数ヶ所回り、リハーサルやオーディション、舞台衣装から大道具小道具、建物の彫刻、美術品、舞台裏についてまで泥濘に説明してくれるものです。広いリンカーンセンター内をかなり歩くことになります。 まず、ニューヨーク州立劇場地下にあるチケットセンターで本日のツアーについて尋ねます。このツアーは不定期に行われているようで、どうも人数がある程度まとまった段階でツアーは行われるようです(詳しいシステムは不明)。以前ツアーに参加した時は私達2人だけで、ひどい英語なのに丁寧にゆっくり説明してくれ、完全に貸し切り状態でした。 ガイドブックによると料金は大人$8.50、毎日10:00-17;00の2時間毎スタート、所用時間1時間とのこと。回るコースはメトロポリタンオペラ劇場、ニューヨーク州立劇場、エイヴリーフィッシャーホール、ヴィヴィアンバーモントシアターのうち3ヶ所程度を回ります。 特筆すべき事は、ガイドのおばさん(おばあちゃん)のノリでコースが1時間になったり、1時間半になったりと、結構遊んでくれることです。その為にもガイドのおばあちゃんと仲良くなりましょう。もっともっと詳しく教えてくれたりリハーサルを規定時間以上に楽しませてくれたりサービスしてくれます。私が以前参加した時のガイドさんは別れ際に「別れがつらくて泣く人もいるなり〜!(もちろん英語で)」なんてまで言ってくれましたですぅ。
- ・ニューヨークフィルハーモニックのオープンリハーサル
- こちらはニューヨークフィルが毎年4-5月頃の木曜日朝9:45から行う公開リハーサルです。値段は$10でエイブリーフィッシャーホールのチケットカウンターで申込みをします。このツアーはさすがにリンカーンセンターのツアーと違い舞台裏見学や説明はありませんが、NYフィルのリハがゆっくりと心ゆくまで堪能できます。
指揮者は見学者が居ようが居まいが、お構いなしにリハーサルを行いますので、音楽の勉強をしている人にはArt(技巧・技術)を盗む絶好の機会と言えるでしょう。また有名な指揮者の性格を知れる滅多に無いチャンスかも!
- ・カーネギーホールのバックステージツアー+潜入方法
- カーネギーホールもバックステージツアーを行っており、人気があるようです。カーネギーホールを入るとボックスオフィスの窓口がありますが、ここでチケットを購入します。値段は$6.時間は11:30AM, 2:00PM. 3:00PMです。所用時間は1時間ほどです。
ボックスオフィス前からツアーは始まります。鉄鋼王カーネギー氏の説明から始まり、ホールの建物、歴史などについて説明した後、ホールの客席に移動し説明は続きます。ステージの方に移動したり、廊下にかかげられているストラウスやベルリオーズのオリジナルスコアの説明などをしてくれた後、リンカーンセンター展示室で解散となります。リンカーンセンターに比べるとちょっと物足りなさを感じるかもしれませんが、規模がリンカーンセンターに比べると規模が小さいので仕方が無いのかもしれません。 ツアーの最後はカーネギーホール博物館(と言うか展示)とギフトショップで解散。ギフトショップの音楽CDなど音楽的資料が充実していないのは大変残念。シーズンの終盤(7月頃)になるとこのギフトショップの商品の一部がセール価格となるようです(?)。入り口は154 W.57stの2階。Rose Museumと言うカーネギーホールの博物館もありますが、内容はイマイチ、適当にカーネギーホールの歴史的な書類などを展示しました、と言う雰囲気。ごめんね。この博物館よりロビーなどに飾られているアーティストや指揮者の写真とサイン、コメントなどを見る方が余程楽しいなり。またカーネギーホールは FMラジオ局 WQXR(96.3FM)日曜17:00〜の放送枠を持っており、コンサートを放送している時もあり。 裏技としておススメできるのが、お目当ての演奏者などのコンサートの日にこのバックステージツアーに参加すると、運がよければリハーサルが見れます。と言うのは、リハーサルなどでステージ上の見学が出来ない時は、代わりとしてリハーサル風景を3階席から見学させてくれます。 ここだけの話ですが(?)、実はカーネギーのリハーサルに潜入する方法があります。まずリハーサルが行われているかを確認します。音響効果抜群のカーネギーホールではロビーでリハーサルの音がよく聞えます。そしてカーネギーホールは1階チケット売り場にお手洗いがありません。「お手洗いはどこ?」と尋ねると、いきなりチケット売り場東側のエレベーターを使って3階に上り客席ロビーのトイレを使うように言われます。お手洗いを使った後には客席の最後部に座ってリハを・・・。くれぐれもあまり無茶はなさらないように。いつもいつもカーネギーホールさん、チケットを買うたびにトイレを借りてしまってすいません。
- ・ラジオシティミュージックホールのバックステージツアー
- このツアーには私も参加していません、と言う事で情報のみ。観光客には非常に有名なツアーです。このラジオシティミュージックホールと言うのはロックフェラー一族によって建てられたホールで、「トニー賞」「エミー賞」「MTVアワード」「ザ・ロッケッツのラインダンス」が行われる有名なホールです。場所はロックフェラーセンター内にあります。 このツアーは毎日行われており、30分毎のスタート、費用は$13.75、約1時間との事。客席、ステージ、照明室、衣装室、そしてロケッツのメンバーが目の前で踊ってくれるオマケもあるとのこと。
- ・マジソンスクエアガーデンのバックステージツアー
- このツアーにも私は参加していませんので、情報のみ。マジソンスクエアーガーデンはバスケットやアイススケートの試合で有名ですが、ロック物のコンサートやテニスの試合、イベントなどが行われます。スパイスガールズのコンサートも行われてました。 ここにもバックステージツアーがあり、ニックス(バスケ)やレンジャーズ(アイスホッケー)のロッカールームまで見れることからスポーツファンには涙物のツアーだそうです。もともとニックスやレンジャーズのホーム(本拠地)だそうです。手元も資料が古いので詳しい情報は解りませんが、スポーツファンの方は行ってみて下さい。タイトルは「Madison Square Garden Behind The Scenes Your」。$13。
- ・ブロードウェイのミュージカル劇場のバックステージツアー
- こちらも情報のみ。Times Square Visitor Centerが主催するブロードウェイ周辺とミュージカル劇場のバックステージを見て回るツアー。タイムズスクエアーの劇場街を回りながら、歴史や劇場建築、室内装飾、スターが利用するホテル、有名人の話などの説明など。実際にミュージカルの劇場に入り見学もあるそうな。毎週金曜日お昼12時Times Square Visitor Center(B'way bet. 46 and 47st)よりスタート、約1.5時間のツアー。参加費は無料。事前に申込みが必要。問い合わせは212-869-5480。
- ・ミュージカルのNew Amsterdam劇場のバックステージツアー
- こちらも情報のみ。あのディズニーのヒットミュージカル、ライオンキングが興行されているNew Amesterdam Theater(42st, bet 7and8 Ave)ではバックステージツアーが行われています。月・火曜(11:00〜17:00)のみで一時間後との出発。参加費は$10。問い合わせは212-282-2900。
- ■ニューヨーカー流クラシック音楽の楽しみ方
- ニューヨークにはメジャーカンパニーに決して負けない、個人の情熱と多くの人からの寄付金で運営されている素晴らしいプライベート・カンパニーが存在します。ガイドブックには載ることはないようなカンパニーなのかもしれませんが、それだからこそ地元ニューヨーカーには熱い支持を受けているのかもしれません。たまにはこのようなニューヨーカー流の音楽の楽しみ方はどうでしょうか。
- □アマト・オペラ
- ニューヨークにはメトロポリタンオペラやシティオペラ以外にも素晴らしい庶民的なプライベート・オペラカンパニーが存在します。大手のオペラカンパニーは充分な予算と寄付金で興行されハイソ・ブルジョアな雰囲気の為か、気軽にオペラを楽しむと言う雰囲気ではありません。しかしメジャーカンパニーでは不可能なオペラの楽しみ方が出来るのが、このアマトオペラです。堅苦しい事はすべて忘れてカジュアルに陽気に楽しめると言うのがこのアマトオペラの特徴なのかも知れません。 イーストビレッジに半世紀を越えて地元ニューヨーカー受け入れられているこのアマトオペラは、もともと声楽の先生であったアンソニー・アマトさんと妻、家族で経営されています。ビルを改造し座席数は約100席。きちんとオーケストラピットもありますが、オーケストラのメンバーは10人以下!。舞台サイズは 10X5m。家族総出で音楽監督、指揮、照明から食事の販売までと何でも有り。しかしこのアマトオペラから育ったプロオペラ歌手は多く、若手のオペラ養成機関と化しています。最近はチケットを売り出してもすぐ売れると言うほどの人気ぶりで、地元芸術振興度も評価も高いです。 もっともっとカジュアルにオペラを楽しみたい方にはおススメ。プログラムは皆様お馴染みものばかり。このカンパニーを異常にひいきにしているニューヨーカーも多いのは、アンソニー・アマトさんの情熱によるものか。オペラ歌手に肉薄できるせいか歌手によっては熱心なファンもいるとの事で、宝塚状態のような所もあるようです。さておきこのような素晴らしいオペラカンパニーが今後もずっと継続していって欲しいものです。 年間60ステージ、6つのオペラを10回公演、週末(土曜夜、日曜お昼)、アドミッションは$23〜。「Small... but oh so grand!」 http://www.amato.org/
Amato Opera :319 B'Way(bet. 3 and 4st) 212-228-8200
- □バージミュージック
- ニューヨークには数多くのコンサートホールがありますが、船を改造してコンサート小屋にしてしまったこの「バージミュージック」は個人の経営と一般の寄付金から運営されています。停泊場所はブルックリン橋の近くのフルトンフェリーランディングで、その船では室内楽を中心としたクラシック音楽だけでなく、摩天楼の素晴らしい夜景を見る事も出来ます。 もともとバイオリストであったOlga Bloomさんが当時のコンサートホールの大型化に危機感を感じ、もっと演奏者とリスナーの隙間をうめる為に船の上でのコンサートを1977年より企画、紆余曲折を経て現在のスタイルとなっています。基本的なコンセプトとしては室内楽をもっと身近に楽しむ事と、ニューヨークのミュージシャンのホームグラウンド的なコンサート小屋との事。キャパシティーは125席。基本的に木曜夜と土曜の午後のコンサートで年間52公演。通常のアドミッションは $23。またNYのラジオ局 WNYCによるライブ放送も行われる時も有ります。 基本的に船ですので、大きな船が近くを通るとコンサート会場である船はゆれます。しかし演奏される曲はクラシックのクラシック、遠くにはマンハッタンの摩天楼の夜景とブルックリンブリッジ。このような楽しみ方はこのバージミュージック独特の物でしょう。
Bargemusic : Fulton Ferry Landing Brooklyn, NY 11201 718-624-4061
http://www.bargemusic.org/ WNYC Live Broadcast
http://www.wnyc.org/musicculture/classics/
- □アポロシアターのオーディション(おまけ)
- NY黒人音楽に君臨するハーレムのアポロシアターは過去に様々なビッグスターを産み出しています。デューク・エリントン、カウント・ベーシー、ナット・キング・コール、ランイオネル・ハンプトン、サミー・ディビス・ジュニア、BBキング、レイ・チャールズ、スティービー・ワンダー、ジャクソン5、マイケル・ジャクソン、アレサ・フランクリン、多くのミュージシャンがこのステージを踏んでいます。 そのアポロシアターと言えば、やはり水曜19:30〜に開催されている「アマチュアナイト」。あのジェームス・ブラウンやビリー・ホリデイでさえこのアマチュアナイトの出身です。このアマチュアナイトの参加方法ですが、3ヵ月に一度アマチュアナイトの為のオーディションが行われており、このオーディションに参加する為にまず電話で予約を取ります。海外からの参加者はビデオでのオーディションも可能との事。このオーディションをパスしてアマチュアナイトに出演となります。アマチュアナイトでは3位までを決定、月末にはその月の3位までのパフォーマーが競い合い、その月のベストパフォーマーが選ばれます。さらに年末には各月のベストパフォーマーが競い合い、その年のベストパフォーマーが選ばれます。過去には日本人女性優勝者もいたそうです。 なおアポロシアターも不定期にバックステージツアーを行っています。正確にはバックステージツアーと言う名目でなく、Memorable and Culturally Educational Tour との事で、アポロシアターの歴史などを学ぼうと言うもの。しかしステージの見学などもあり、ステージ脇のthe Tree of Hopeの秘密(コンサート前に出演者が触わってげんを担ぐ有名な木)やアマチュアナイトの歴史について学ぶ事が出来ます。
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