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Tools #3

海外生活では、ある物がないと大変不便だったりします。
アメリカの便利グッズやよく使っているものについてのよもやま話です。

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電子辞書

・ セイコー電子のIC Dictionary TR-380

今まで、海外で生活している周りの人達の電子辞書を見てきましたが、結論はこのTR-380が万人向きのように思えます。もちろん、研究社の中辞典(TR-7700)やリーダーズの電子辞書(ICD-RE1)も重宝しますが、このTR-380の良い所は軽くて電源を入れた瞬間に単語が引けます。歩いていても、ペーパーバックや雑誌を寝転がりながら読んでいようとも、その瞬間に片手でも引こうと思えば引けます。語数も説明も少ないですが軽さには勝てません。連続使用で約600時間の長寿命。値段も安売りで4000円ぐらいとお手ごろです。

ただこの機種TR-380は語数が余りにも少なく(英和62千語、和英37千語)、専門書や語彙の難しい新聞や雑誌を読む時は歯が立ちません。その時はリーダーズの電子辞書になります。ちなみに海外で生活し始めると中辞典などでも語数は足りません。軽さ(重量ではなくてスピーディーに単語が調べれる"軽さ")と語彙数のどちらにポイントを絞るかによって、電子グッズの選択は変わってくるでしょう。

おおよその目安として、TOEFLで550点以下の人には研究社の中辞典の電子辞書、550点以上ならリーダーズ電子辞書と言ったところでしょうか。中辞典は例文や説明もある程度載っていますので、それらを参考にしながら英文を作成したり学習が可能になります。しかしリーダーズの場合は目的が学習ではありませんので、ある程度の知識があることが前提となります。

海外生活での組み合わせとして、ペーパー作成用にハードディスクとCD-ROMの辞書を、自宅での読書にリーダーズ電子辞書、外出用に安い電子辞書(TR-380など)と言ったところでしょうか。万が一、TR-380の電子辞書なら強盗に遭っても、落として壊してしまっても4000円程度の被害で済みます。

私の選択は、コンピューターで英文作成をする前提で「研究社の英和・和英中辞典」と「マイペディア(百科事典)」をハードディスクに入れ、CD-ROMには「American Heritage Dic.」を、差し替え用のCD-ROM辞書として「広辞苑」や「現代用語の基礎知識」、他の英和辞典を、手元にセイコーの電子辞書と言うセットで用途に応じて使い分けています。紙の辞書は、専門の音楽辞典と英英辞書以外めったに使うことはありません。

電子辞書を使いだすと紙の辞書にもう戻れません。大量の読み物を正確にしないといけない時には、電子辞書なしでは生きていけない身体になってしまいました。アメリカではセイコーからAmerican Heritageの電子辞書版も発売されています。このアメリカン ヘリテージの電子辞書は発音もしてくれます。研究社リーダーズの電子辞書版(ICD-RE1)も日本では売られていますが、アメリカでは見かけません。必要な方は日本で買って来られたほうが良いでしょう。




●なお辞典辞書CD-ROMについては、「Tool#1 -電子辞典CD-ROM-」、
能率的なWebページの歩き方は「Tool#2 -能率的なWebページの歩き方-」、
英語学習については「海外生活#3 -英語学習の落とし穴-」、
海外生活のススメを「Living Abroad#0」 のページをご参照下さいませ。



リスニング向上の為のオーディオブック -Audiobook-

日本に数多い英語学習のWebページ。Paperback について多く語られても、何故か Audiobook についてはあまり語られていません。Audiobook こそ能率の良いリスニングスキルアップの教材だと思っています。TVや映画と違い常に良質の英語がコンスタントに聴けます。Audiobook と Paperback は人によって好き嫌いがあると思いますが、私の場合、英語の勉強のつもりで始めたはずなのにすっかり趣味としてハマってしまいました。

Audiobookとは売れ筋の本を俳優やアナウンサーがその本を録音して売られているテープです。当初の目的は目の不自由な方用だったのかも知れませんが、今ではアメリカ人が寝る前に聞いたり、仕事も終わり食事後にお酒を飲みながらリラックスして聞くものとなっています。日本の「聞く本」とは違い、結構ポピュラーです。もちろん良質の英文が大量に聴けます。リラックスして聞くと言う前提の為、喋るスピードは通常会話の7割ほどのスピードで自然に喋ってくれます。この英語は思ったより難しくありません。私も寝る前に子守り歌代わりに聞きながら寝ます。

少々値段が高いですが、それでも Michael Crichton の Jurassic Park や Sphere などは$10で売られています。(但しAbridged版)。時間当たりのコストに比べると教材テープよりかはずっと安く、末永く聞けるので充分安いと思います。またアメリカ在住の方は、Branch Libraries と言われる一般図書館で豊富な種類の Audiobooks が借りれます。(映画のビデオも借りれる。Research Libraies ではインターネットし放題の上に個人のメールアドレスも取れる所もあるそうな。)New York在住の方なら有名な Strands Book Store 地下 Information 横で山盛りの Audiobook が半額以下で手に入ります。日本では売られているのかどうか判りませんが、amazon.com などの通信販売でトライしてみてください。

注意することはUnabridged版と言われる完全版と、ストーリを変えない程度に半分ほど短縮したAbridged版があることです。初めての人にはAbridged版の方が短い為、取っ付きやすいですし安いバーゲン商品が出回っています。図書館にも通常はAbridged版が置かれています。Abridged版は短くまとめないといけない為、若干話すスピードが速い傾向にあるような気がします。一方Unabridged版は本と全く同一の内容なので、英文チェックができる利点もあります。私はできる限りUnabridged版を買いますが、特にこだわっていません。また、Brillianceと言うメーカーは4ch録音で特殊なアタッチメントが必要ですので避けた方が無難です。その他のメーカーは通常のテープと一緒なので問題ありません。

どのAudiobookが良いのかは趣味にもよりますが、手始めにチャレンジするなら日本語訳もある売れ筋のSidney SheldonやJohn Grishamが良いのではないでしょうか。コツは一度もしくは数回ていねいに精聴し内容の把握に努めた後、本を読み確認します。その後は、ひたすら多聴で聞きまくることです。内容の把握ができるようなら本を読むのは必要ないかもしれませんが、単語力増強と言うポイントを考え私は本を読みます。本来の勉強がありますので、通常この一連の作業に1ヶ月半を要しますが、集中すればもっと速いペース(2週間ほど)で1冊のAudiobookとPaperbackが制覇できるかもしれません。

英語力がないと思っている人でも、騙されたと思って諦めずに3冊ほどトライしてみましょう。意外に読めたり聴けたりするようになります。(正確には、いい加減に読み飛ばしたり聴き飛ばしたりできるようになる。言い換えればストーリー理解上必要な所をピックアップできる能力がつく。これも必要なスキルだそうです)。この方法は私も継続していく予定です。




本・ほん・ホン(駄文系)

・ 久々に感動したこの一冊

The Color of Water / James McBride著 $12.00

常にペーパーバックを持ち歩いている私ですが、久々に胸が熱い思いに駆られる本に出会いました。白人(ユダヤ人)の母とその息子(黒人)の話で、息子が回顧する形で書かれた実際の話です。これは本当に泣けます(泣きます)。

ストーリについて詳しく述べませんが、母と子の生い立ちが各章交互に述べられて過去から現在に至ります。著者(黒人の息子)はJazzの作曲家でもありColumbia大学のJournalism修士号を持ち、The Washington Postなどで執筆をした後、この本を書いています。300ページほどで英文も簡潔であっという間に読めます。A Page-Turnerと言う言葉がありますが、ページをめくってめくって2日間で読み切ってしまいました。読み終わった後の爽やかな気分は、何事にも代え難い満足感と感動でいっぱいになります。

John GrishamやMichael Crichtonと言った定番ペーパーバックは英文で読んでいる事を意識せずにワクワクはらはら読めますが、たまには Memoirと言われるジャンル(実際にあった話や回顧録)をお勧めします。特にこの本は「イチオシ」です。


次回は、同じMemoirで「Frank McCourt著のAugela's Ashes」を紹介します。(次回予告)



・Writingための本「The Elemets of Style / W Strunk and EB White著

この本はWritingの書き方の本で、大学新入生はみんな買わされる有名な本です。無駄、冗長な表現や論理的構成のイロハについて書かれています。これを読んでから自分の英文を読むと恥ずかしいなり〜!この本によるとシンプルなセンテンスこそ説得力があると言うことですね。出版会社はAllyn and Bacon社 $5.95で85ページなので、すぐ読み終えれますぅ。

英文の論文は合理的な独特かつ厳格な論理思考が存在します。日本の起承転結とは違ったロジックです。この独特な弁論述的、説得の為の書き方になれるまで相当時間を要しました。日本の小中学校でも説得の為のディベート術と論理的な書き方についてもっと教えれば良いのにと思ってしまいます。自己主張の強いアメリカらしいと思ってしまいます。講談社現代新書の「英語小論文の書き方 / 加藤恭子著」も参考になります。







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