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Living Abroad #3
海外で住むと言うこと。(ことば)


第二言語の習得はなかなか厳しい道です。年齢やその人の性格によって言語上達度は大きく異なりますが、時間がかかることの覚悟だけは必要だと思います。またその人の性格にもよるのかもしれませんが、TOEICやTOEFLと言った「文法力や単語力と言う知識」と会話としての「コミュミケーション」は全く別物だと言うことが痛切に感じます。ゴールのないゴールに向かって私も少しずつ前に進んでいきたいと思っています。

[ 英語学習の落とし穴 ] [ 楽しみながらリスニング ] [ 日常会話の機会 ] [ 寝言は何語? ] 


英語学習の落とし穴

かなり大きな壁が言葉です。これだけは人によって大きな差がありますが、来て半年もすれば流暢に喋れるようになるだろう、と言うのは大きな誤り、幻想でした。事前の準備で最も大切なものは、言葉の勉強なのかもしれません。特に20代後半からの言語習得には時間がどうしてもかかります。

インターネット上には素晴らしい語学勉強の為のページが多く存在します。第二外国語の達人達の勉強方法を聞いてみると、相当時間をかけて涙ぐましい努力をしている事に気づかされます。それほど、違う言語を習得すると言う事は大変な事です。勉強方法はこれらのページが大変役に立ちます。余りにもそれらのページが素晴らしすぎますので、具体的な勉強方法についてはそれらを参考される事をお勧めします。


それらのページを要約すると以下のようになります。

(1)第一に時間がかかると言うこと。1週間1時間の英会話教室では効果はなく、NHKラジオなどの毎日続けるタイプの勉強方法などで英語勉強を生活のサイクルに組み込む必要があると言うこと。

(2)レベルに合致した勉強方法が必要だと言うこと。初心者のレベルは基礎の英文法、単語を中心に、初級者ではリスニングを取り入れた読解と音読、中級者では大量の英文速読と多聴(リスニング)を中心に学習する。

(3)アウトプット(SpeakingやWriting)よりインプット(Reading、Listening)を中心にする。

上記(1)(2)のポイントは全くその通りだと思います。特に(2)の件で中級以上は速読と多聴を徹底的にして単語力を増強するのは重要です。(3)ですがインプットを重視するのは賛成ですが、余り勉強勉強してしまうと「会話としての英語」でなく、「勉強としての英語」となる危険性があると思っています。一部の本に「会話はほとんど勉強しなくても良い」と言う極論が書かれているようですが、基本的に英語勉強でなく「コミュニケーション」ですので、最低限のアウトプット(週一時間の会話など)は必要だと思います。

「TOEICやTOEFLの英語の勉強」と「コミュニケーションとしての英語」が違う事は明らかな事実です。TOEFLで600点を超え、TOEICで900点を取っていても実際に英語が喋れなくて愕然とする人は多いのです。ある意味で知識が邪魔をしているのかもしれません。ある程度の点数を取れるようになったらコミュニケーション力を高めないと、点数は取れるけれど会話の出来ないギャップにショックを受けます。目的は点数を取る事でなく、コミュニケーションをとる事なのです。TOEICやTOEFLの点数を英語力の評価としている人は点数を上げる事に集中しがちになりますが、点数より会話がスムーズにできる事の方が重要だと思っています。

ただコミュニケーションが出来るだけの最低限のグラマー力と単語力はもちろん必要です。TOEFLやTOEICで良い点数を取れれば、会話力の不足分は単語力などでカバーしてくれますし、上達速度も全然変わってくるのは明らかです。結局一番大切なのは「英語の勉強」と「コミュニケーション」のバランスかも知れません。そういった意味でレベルに合った学習方法と言うのが重要になってきます。「初級」までは勉強に集中して、「初級後半」から勉強を9割、コミュニケーションを1割、「中級」からはコミュニケーションを2割ぐらいまで高めるのが良いと思われます。バランスが一番大切で、机の上だけの勉強に力を注ぐのは勉強効率が悪いと思っています。

私が一番悩んでいることはこの「コミュニケーションとしての英語」です。コミュニケーションの為の勉強(TVドラマなどのリスニング、会話、英語での考え方や発想=英語頭脳)を取り入れれば、私の失敗を踏むことは無いでしょう・・・。私の英語はひどいので意見を述べれる立場ではありません。英語学習に関するホームページを参考に日々頑張っていきましょう。


30年以上住んでいる日本人のおばちゃんがいます。当人には悪いのですが、その人の英語にはいつも笑ってしまいます。長年住んでいてもネイティブのようには喋れないのですね。発音のきれいな人や英語の上手な人は、かなりの長期間努力をしていると言う事も解ってきました。ただ、コミュニケーションさえ取れれば良いと言う人は良いのかもしれませんが、言語の習得はどうしても時間と努力が必要です。

私はジュリアードのおかげで読解力と単語力は異常に伸びました。単語力に付いてはネイティブの友人から「どうしてそんな単語を知っているのか」とまで言われるようになりました。ただ、話す事になるとまだまだです。友人と2人きり一日中喋りつづける事もありますが、若いネイティブ同士の会話などは、恥ずかしい事にちんぷんかんぷんの時も多いです。言いたい事も言えずに悔しい思いをする事はしょっちゅうです。

私が最も反省している点は、言葉の勉強が全然足りなかったと言う事につきます。勉強と言うのはTOEFLやTOEICのような試験の為の勉強でなく、英語で物事を考えてコミュニケーションをとる為の勉強です。ある程度年齢をとると、どうしても時間的な制約が出てきます。現地に住めばかなり伸びるだろう、と言うのは余りにも甘い考えでした。基礎的な語学の勉強は、日本で勉強する方が伸びると思える時さえありました。

基本的に、一番時間のかかるListeningと基礎的な単語の構築から始め、音読による読解が効果的だと思っています。現在もペーパーバックのReadingとTVはよく見ています。今は日本でもアメリカの人気番組が多く見れます。それを考えると私の勉強法は日本でもできるのですねぇ。とほほ。ひとつだけ言えるのは、時間をかければその分少しずつですが、必ず効果は出てきます。頑張りましょう。



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英語勉強に関しては、やる気を与えてくれるサイト「英語と闘うぺぇじ」でいつも刺激を受けさせてもらいました。ありがとうございました。このページの画期的なところは、日本で英語を勉強するベストな方法をページの作者も含めて模索しているところにあると思います。気づく事は各人ベストな勉強法がそれぞれあるのですが、結局ベターな方法は探せても、その人にとってのOne and Onlyと言う勉強法は自分で探すしかないと言う事なのかもしれません。とにかく一度訪れても損はさせないページであると断言できます。

英語と闘うぺぇじ →更新終了後、2003年春頃にページを閉鎖したようです。うーん、残念。




楽しみながらリスニングの向上

私が勉強した中でもっとも楽しかったのものは、テレビドラマによるリスニングでした。勉強と言うより単純に楽しみの一つだったのかもしれません。しかし楽しみながら勉強できましたので効果はかなりあったと自分では思っています。

日本でいた時は、ビバリーヒルズ90210やER、X-Filesなどテレビドラマは一度も見た事なかったのですが、こちらで勉強のつもりで見始めたらどっぷりハマッてしまいました。この経緯については「 TV Programs 」のページに記載があります。一つだけ言える事は、吹き替え版を見るのは"もったいない"。

英語を勉強しているのであれば、英語版にしましょう。迫真の演技が伝わってきますし、英語のニュアンスを日本語の吹き替えにすると意味が変わってきて、オリジナル版と若干内容が変わっている事は容易に想像できます。事実、私も「 TV Programs 」のページでビバヒル最新版のあらすじを掲載していますが、このセリフは英語でないと真意が伝わらない、と言うのが多くあります。

初級者以上の方にはテレビほど良い教材はないと思います。初めてチャレンジされる方は大変かもしれませんが、数回繰返して聞く事を一〜二ヶ月ほど続ければ、その俳優さんの話し方に馴れてきて、ぐっと聞きやすくなります。それでも難しいと言う人には、ドラマのあらすじなどがインターネット上で掲載されているのを参考に見られると良いかもしれません。あまりにも難しい個所はどんどん飛ばしていって、半年ほどしてから再度聞いてみると意外と解ったりして、うれしく感じれます。あまりにドラマが取っ付きにくいのならニュースと言う手もあります。特にCNNなどは同じ内容のニュースを何度も流してくれるので、徐々に理解度が高くなります。

またテレビリスニング以外に集中して勉強する方法に、「Audiobook」によるリスニング漬けと言う方法もあります。この勉強法については「 Tools#3 海外便利グッズ -Audiobook-」のページをご参照下さい。





日常生活でどれだけ英語を話しているか(おまけ)

海外で生活していく為に必要なものはもちろん言葉です。ただ思ったよりかは、英語を話していない事に気づきます。私は日常で日本語を話す機会は週に一回あるか、ないかですので、ほとんどの言葉が英語です。学校では日本語は一切話しません。しかし日常で英語を喋っているのを時間に換算すると、意外と少ない事に気づきます。多分1日1〜2時間も話していないのではないでしょうか。

生活する為の英語、例えば日常用品や食べ物などを買う時やレストランで食べ物を注文する、行き方を尋ねるなどと言った会話は、ほんの数十秒で事足りてしまいます。また友人と喋ると言っても、10〜30分話す程度でしょう。ディスカッションタイプのクラスは別ですが、授業中に話す機会も、こちらから発言しない限り多いとは言えません。

つまり日常生活で英語力を伸ばそうと考えている人は、自分で喋る機会を無理してでも作らないと厳しいと言えます。ネイティブの友人で喋ってくれる人をさがせば良いと考えられるかもしれませんが、定期的に長時間話してくれるような友人を見つけるのは大変です。反対の立場を想定すると、海外から来た日本語のたどたどしい外人と日本語で長時間定期的に話すのは結構骨が折れると思います。東北訛りの人が沖縄の人と喋るよりかは大変だと思います。そういった意味で、私と長時間喋ってくれる友人達はかなりボランティア精神のある人達だと思っています。

この状況を打破する方法は、やはりネィティブと生活を共にする以外にないのでしょうか。ホームスティ、ルームメイト・・・、色々ありますが、こちらでコミュニケーション術が伸ばすには、これが手っ取り早いのかもしれません。この方法以外に会話時間を稼ごうとすれば、話す機会を作っていく相当の努力が必要だと思います。


夢は日本語?英語?(駄文系)

こちらに来ている日本人たちによると、渡米してから半年もすると、英語の夢を頻繁見ると言います。事実英語の得意でなかった私も、1年ぐらいから英語の夢を見出しました。しかし、夢の中に出てくるのは、しどろもどろに焦って喋っている自分でした。余り気分の良い夢ではありません。

反対に、普段よく接しているアメリカ人の友人Thomasが、夢の中では日本語をペラペラに喋るのです。彼の唯一知っているの日本語は「SAYONARA」です。しかし、夢の中では喋ること、喋ること。まるで旧来の友人かのように夢の中では延々日本語で会話します。この夢のシリーズは何度も見ます。日常生活で心を通じさせたいとずっと思っていたのが、夢にまで出てきたのだと思います。

Thomasには、7歳と5歳の娘がいるのですが、彼女達の英語はかなり手強いです。異常に早く不明瞭な発音で、意味不明の言葉をよく喋ります。一日中、彼女らの家にいると、集中力が無くなり、機関銃の様な会話にはついていけません。夢の中にそのThomas一家が出てきた時は笑いました。夢の中では娘たちも日本語で喋るのですが、その日本語がまた難しい。ついに最近、彼女たちは私の夢の中で英語で喋り出しました。まるで機関銃のように。目覚めた時の疲労感は相当の物です。せめて寝てる間だけでも休ませてくれー!

一方、環境雑誌の執筆家でお髭のJamesと言うおじさんがいます。彼は物静かでショーンコネリーにそっくりなのですが、夢の中ではロシア語?らしき言葉を喋ります。実際には彼はロシア語は喋れません。夢の中で私は「英語で喋って」と頼むと、英語で喋ってくれるのですが、自分の中で言葉の価値観(?)がおかしくなっているのを感じます。

私は独り言をあまり喋りませんが、たまの独り言は日本語英語ちゃんぽんです。正確に言うと、簡単な表現やよく使う表現は英語です。難しい言い回しや怒っている時の「ぼやき」は日本語です。傍から見ていると格好悪いでしょうね。しょせん私の英語のレベルはこんなものです。

New Yorkには紀伊国屋書店があり、中には日本人客しかいなのですが、他人にぶつかった瞬間思わず「Whoops! Sorry.」と言うのは結構みっともないものです。これを日本ですると、ただの嫌な外国かぶれの日本人と言うことになるのでしょう。しかし誰でも海外で生活して半年も過ぎれば、ついつい自然に「Oops!」とか「Wao!」「Oh,boy.」「Gosh!」とか言うようになってしまいます。うーん格好悪いですぅ。







なお英文作成支援ツールとしてのコンピューターを「Tools #1」に、
Audiobookを利用したリスニング向上法、電子辞書を「Tools #3」に、
アメリカのテレビドラマやラジオニュースを「TV Programs」に、
海外生活のススメを「Living Abroad#0」に、紹介しています。

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全くの私見です。海外で住むことについて徒然とよもやま話。


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